業種|医療機関
診療を止めない通信・IT。
香川のクリニックで見るのは、受付の電話、オンライン資格確認の回線、患者情報を扱う端末と来院者用の無線の分け方です。医療機器と電子カルテ本体は扱いません。
クリニックの設備は、止められる時間がほとんどないところから決まります
他の業種と違うのは、診療が始まると手を入れられないことです。
いちばん効くのは日程です。診療時間中は電話も受付端末も止められないので、作業できるのは休診日と診療時間外に限られます。逆に、休診の曜日が決まっているぶん日程は読みやすい業種でもあります。
もうひとつが電話です。クリニックの電話は予約と問診の入口を兼ねています。診療時間中に外線が全部ふさがると、その時間に掛けた方は「話中」で切ります。この取り逃がしは記録に残らないので、気づかれないまま続きます。だから機種を選ぶ前に、混む時間帯に同時に何本鳴っているかを数えます。
厚生労働省の最新版。令和8年6月29日に策定されました。
令和9年4月1日時点で困難なら、次期システム改修での対応を許容する緩和措置があります。
香川県内は無料です。開院前のご相談でも構いません。
クリニック特有の、設備に効いてくる事情
見積りの金額と工期が変わるところだけを並べます。
| クリニック側の事情 | 設備での意味 |
|---|---|
| 診療を止められない | 切替は休診日か診療時間外。回線の切替は瞬断が出るため、翌診療日の朝に何が動いている必要があるかを先に決めます |
| 電話が予約の入口 | 外線が足りないと予約が入らない。同時着信の本数を数え、留守番と時間外案内をどう出すかを決めます |
| オンライン資格確認の回線がある | 接続方式がIP-VPN(光回線)かインターネット回線(IPsec+IKE)かで、回線を触ったときの影響範囲が変わります |
| 患者情報を扱う端末がある | 来院者用の無線と同じネットワークに置かない。ガイドライン第7.0版では二要素認証の対象がクライアント端末およびサーバと明確化されました |
| 管理者に責務がある | 医療法施行規則第14条第2項で、病院・診療所・助産所の管理者はサイバーセキュリティの確保に必要な措置を講ずることとされています |
| ベンダーが複数入っている | 電子カルテ、レセコン、オンライン資格確認、回線、電話。障害のとき誰に電話するかが決まっていないと、診療中にたらい回しになります |
院内の線は、3つに分けて考えます
「Wi-Fiを1本にまとめたい」が、いちばん危ないご希望です。
院内には性質の違う通信が同居しています。オンライン資格確認とレセプト請求。患者情報を扱う端末。来院者用の無線と職員のスマートフォン。この3つを1つにまとめると、待合室の誰かの端末から患者情報を扱う端末が見える状態になりえます。分け方は、別の線を引くかVLANで分けるかです。
電子カルテやレセコンの選定・導入・入替、医療機器の販売・修理・接続は当社では承っていません。当社が担当するのは、電話、回線、院内のネットワークと無線、出入口のUTM、防犯カメラ、複合機です。ただし電子カルテが載るネットワークは触るので、どこまでが当社で、どこからがベンダーかという境目を、工事の前に書面で分けます。
クリニックで実際に起きる、3つの失敗
他の業種では起きないか、軽く済むものです。
ひとつめ。来院者用のWi-Fiを、受付の線から出してしまう。待合室の端末と受付の端末が同じ線に乗り、あとから分けるには機器の入替が必要になることがあります。
ふたつめ。回線を1本にまとめて安くする。その1本が落ちた瞬間に、電話とオンライン資格確認が同時に止まります。診療時間中に起きると受付が回りません。
みっつめ。電話を替えるときにFAXを数えない。診療情報提供書がFAXで届くクリニックはまだ多く、当日に動かないとその日の紹介が止まります。
- 診療時間と休診日。切替に使える時間帯がどこか
- オンライン資格確認の接続方式と、ルーターの管理者
- 電子カルテ・レセコンのベンダー名と、保守契約の範囲
- 患者情報を扱う端末の台数と置き場所
- 外線の本数と、混む時間帯に同時に何本鳴っているか
- 来院者用の無線を出しているか、今後出す予定があるか
- FAXの台数と用途。診療情報提供書が届くか
よくいただくご質問
電子カルテの入替も一緒に頼めますか
電子カルテそのものは承っていません。ベンダーの担当です。ただ、入替のときにネットワークと回線の側で用意しておくことはあります。端末の台数、置き場所、口の数、電源。ベンダーから条件をもらって当社が用意します。
来院者向けのWi-Fiは、出したほうがよいですか
出すかどうかは診療科と待ち時間で決まる話なので、当社からは勧めません。出すと決めた場合に、必ず分離が要るというのが設備側の答えです。「今は出さないが将来出すかも」なら、そのとき機器を替えずに済む構成で組み、見積りの「将来」の行に入れます。
ガイドラインの第7.0版で、何が変わりましたか
厚生労働省が令和8年6月29日に策定した版です。大きいのは3つ。専門の担当者がいない小規模な医療機関を想定した「保守委託機関編」が新設され、5編構成になりました。パスワードの定期変更の要件が削除され、使い回しの禁止とアカウントロックが入りました。二要素認証の対象がクライアント端末およびサーバと明確化されました。
開院前です。いつ相談すればよいですか
内装の図面が固まる前です。回線の開通がいちばん待たされるためと、配線ルートと電源の位置は図面が固まると動かせないためです。逆算はオフィス移転チェックで扱っています。
工事のあいだ、電話は止まりますか
切替の瞬間は止まります。休診日に寄せるのが基本です。止め方は現地で決めます。
- 電子カルテ・レセコンの導入と入替。医療機器の販売・修理・接続。当社は電話・回線・ネットワーク・UTM・カメラ・複合機の側だけです
- 内装工事は承っていません。内装会社との工程合わせはご相談ください
- 受付は平日9:00〜17:00です。時間外の緊急対応はお約束していません
- ガイドラインへの適合を保証するものではありません
- 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版」 — 根拠法にサイバーセキュリティ基本法を追加。保守委託機関編を創設
- 同ガイドライン第7.0版の策定について(令和8年6月29日) — 第6.0版は令和5年5月。二要素認証はクライアント端末及びサーバが対象。令和9年4月1日時点で困難な場合の緩和措置
- 医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第14条第2項 — 管理者が講ずるサイバーセキュリティの確保
- 厚生労働省「個別改定項目についての補足説明資料」 — オンライン資格確認はIP-VPN接続方式の光回線が必要。インターネット回線(IPsec+IKE方式)も可能
診療を止めない側の通信から
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